Act 6  私の嫉妬と仲直りの方法。




『昨日は大丈夫だった?大分酔っぱらってたようだけど。
久しぶりに棚橋に会えて嬉しかった。
大学も近いようだし今度時間が合えばまた会えたらいいな』

私は一体何をやっているのだろう。

朝りっちゃんの家で目を覚まし、携帯には真央からの何件かの着信とラインのメッセージ。既読さえも付けずに酔っぱらい意識を失った。

慌てて飛び起きてから真央のマンションに向かい、合鍵で家の中に入ったけれど既にそこにはもう真央の姿は無かった。

今日も仕事。当たり前。

珍しく毒の欠片さえ感じられないメッセージの中には、仲直りがしたいと言う暗黙のサインが隠されていたに違いない。それを無視する形になってしまった。

そしてそれと一緒に入っていたメッセージは同窓会で再会した雄太からであった。


私は何を?!
何を軽々しく連絡先を交換していると言うのだろうか。

浮かれ切っていたとしか思えない。久しぶりに再会した同級生は現在法学部3年生。あの頃よりずっと大人っぽく成長していた。

彼の初恋が自分だったという事はだいぶ後から聞いた話。その彼は昨日の同窓会で私の隣にやって来て、あからさまに私へ好意を見せた。

満更ではなかった。私の中の悪魔はどうやら消滅した訳ではないらしい。人から好意を持たれる事は悪い気はしない。けれど今朝真央からの連絡を見て、昨日の自分を深く反省した所。