美人大学生はかなり脚色されているが、私はこの間から大学で一躍時の人となった。
それもこれも私の誕生日にひとつも変装をせずに薔薇の花束を持って大学に迎えに来たからである。
あの日お互いの気持ちを始めて伝えあって周りが見えていなかった。周りを取り囲んでいた学生たちが写真を撮っていたのは知っているが…誰かが週刊誌に売ったのであろう。
’お前とならスキャンダルになってもいい’そう言って真央は笑っていたけれど…これヤバくないか…?
周りの友達にも散々言われた。そりゃーそうだ。大学構内であんなに目立った行動を取ってしまったのだから。
知らない人にも私の顔は知れ渡ってしまって’何であんな可愛くない子と…’とすれ違いざまに言われたのは一度や二度ではない。
改めて有名人と付き合う事の大変さを知る事になる。
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その日寮に戻ると、瑠璃さんは既にその週刊誌を買っていて…興奮気味でそれをこちらへ差し出してきた。
「すっごいね!静綺ちゃん、モザイクかかってるのがもったいない感じ!」
「何か映画のワンシーンみたいに撮られてるなぁー…」
「ね!豊。でも真央ちゃんと静綺ちゃんはお似合いだからなぁ~…」
「けれどこれは社長に大目玉くらっちゃうんじゃないの?真央くん…。
あの人は考え無しな所があるからね」
「えぇー?!でもいいじゃん!真央ちゃんはアイドルでもないし、別に恋愛禁止って訳じゃないんだから」



