そういえば…,
この言葉は,最後まで指を刺して,きちんと言い切らないと,効果がないのだ。

あぁ,そう言うことか,と,穏やかな気持ちで納得した。

錫斗はまた話し始めた。

「この鏡は,最後の方に出して,自分が消えなきゃいいか,みたいな感じで買ったんだ。
でも涼音ちゃんは,俺の方見てなかったし,これは仕返し出来るかなって思ったんだ。
そしたらまんまと鏡を指さしながらあの言葉を言ってくれて…あはははははははは!!
つまり,自分で自分を消したようになったんだよ!」

錫斗は,狂ったように笑い出して,私を哀れむような,見下すような目で見て言った。