泣いて、凪いで、泣かないで。

「ってかさぁ、美凪ちゃん、髪結んだんだぁ」

「あ、うん」

「可愛いし、似合ってるよ。学校にもその髪型で来てよぉ」

「いや、いいよ。2つなんて幼稚くさいって思われちゃうから」

「そんなこと、誰も思わないって。というより、誰かそう思ってても、オレが可愛いって思ってるんだから、いいじゃん。オレだけが満足しちゃ、ダメぇ?」


あぁ、もぉ!

首を傾げないで!

なんで、そんなとろけちゃいそうな甘い声で見つめてくるの。

なんか、全部うんうん言っちゃいそうで、恐ろしいんだけど。

でも、自分を律するにもエネルギーが足りない。

私は重力に任せて、


「うん」


こくりと頷いてしまった。