「ふわぁ...」


入学式からあっという間に時が流れ、知らぬ間にゴールデンウィークが終わり、6月になった。

現在時刻は午後4時。

この時間の雨と国語の先生の朗読は最高の子守唄だ。

私はここ最近ずっと雨の音がうるさかったり、雷が怖かったりしてあんまり良く寝られていない。

女医の母が夜勤でない日は同じ部屋に寝てもらっている。

そんな情けない17歳はどこにいるんだと探さなくても、自分自身がそうだなんて信じたくないが事実だ。

今日もまた眠ってしまった。

ごめんなさいなんだけど、許して下さい。


「えぇ、では、今日はここまでですねぇ。次は18ページ3行目から読んでいって板書たくさんするのでぇ、ノートぉ、忘れずにぃ。ではぁ、起立ぅ」


寝ぼけ眼を必死にしばしばするが、目が乾燥してコンタクトレンズがずれてしまったらしく、視界がボヤける。


「うわぁっ」


思わずよろけて隣の人の机に足をぶつけた。


「いたたた...」

「瀧内さん、大丈夫ですか?」


先生がわざわざこちらに来てくださる。


「大丈夫です。すみません」

「分かりました。それでしたら安心です」


深入りされず、お咎めもなくて、助かった。

私は挨拶をしてペコリと頭を下げた。