泣いて、凪いで、泣かないで。

今も。


「みな、ごめんね。洗い物代わるよ」

「私、お腹いっぱいだから動くよ!洗い物は私に任せて」


急にやり取りが鮮明に聞こえてきた。

思い出したんだ。

美凪の存在を。

至って凡人で、存在感がまるでない空気のようなその存在を、

俺は今さら、強く感じた。

でも、もうパーティーは終わりかけていて、

色々なことが、

もう遅いって、

そう思ってしまった。