泣いて、凪いで、泣かないで。

「さっきからイチャイチャしちゃってさぁ。仲良しだな、ほんと」


俺の目の前に座っている煌人が、イヤミ紛いなことを言ってくる。


「そんなに羨ましいなら俺達を越えてみろよ」

「ま、言われなくても、もとからそのつもりだけど」

「ならせいぜい頑張れよな」


俺がそう言うと、煌人の隣でせっせとサラダを取り分けていた夏綺が頬を赤らめて俺に視線を送ってきた。


「恥ずかしいから...そんなこと、煌人に言わせないで」

「うわぁ、なっちゃん顔赤~い!大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫」


ったく、煌人も夏綺もラブラブじゃないねえかよ。

心配の余地は微塵もない。