泣いて、凪いで、泣かないで。

「皆終わったわね。じゃあ、美凪からのプレゼント、渡すわね」


おばさんが、クッキーの空き缶を開け、キレイにラッピングされた小袋を出してきた。


「プレゼント、ですか?」


夏綺が聞き返す。


「ええ。きっと、夏休み明けに皆にあげようとしていたんだと思う。ちゃんとそれぞれに名前も書いてあるから分かるわ。えっと...これが、爽くん」

「ありがとうございます」


波田野は手を小刻みに震わせながらおばさんから受け取った。


「初めて見るけど、あなたがあの波田野爽くんなのねぇ。うちの患者さんにあなたのファンがけっこういるのよぉ!これからも頑張ってね」

「はい、がんばります」


今日はチャラさゼロ、あの変な喋り方もしていない。

それだけ傷が深いんだ。

それを見抜いておばさんも笑わせようとしたのだろう。

おばさんだって辛いはずなのに、気丈に振る舞っている。

初めて会った時に感じた、全身に漲る生命力を今日もひしひしと感じた。