泣いて、凪いで、泣かないで。

花火大会の帰り道。

夜空にはたくさんの星達が瞬き、

海は月の光を受けてキラキラと輝いていた。

俺は美凪の右隣に並んで歩いていた。

美凪が話さない。

金魚すくい楽しかったね、とか、

ゆっと、射的得意なんだね、とか、

りんご飴、甘くて美味しかった、とか、

花火キレイだったね、とか、

何かしら話すものだと思っていた。

おかしい。

何かがおかしい。

そう思っていた、その時だった。

下駄の音が止んで、代わりに美凪の声が聞こえてきた。


「あのね、ゆっと、話があるの」