泣いて、凪いで、泣かないで。

俺が淡い気持ちを寄せていたのは汐衣愛だった。

不器用で運動オンチ。

勉強もイマイチできない。

だけど、いつも元気いっぱいで明るく、何をやるのも一生懸命。

髪型は決まってツインテールで、可愛らしい容姿をしている。

そんな素直で無邪気な女の子らしい汐衣愛に俺は惹かれていた。

だが、決まったのは美凪との交際。

少しだけ胸が締め付けられたが、付き合ってるというなら、美凪がいじめられても堂々と守れるし、そもそも興味の対象が俺と美凪の交際になるのであれば、美凪を肉体的にいじめたりしないだろうと思った。

つまり、この敗けは利益だらけだ。

そう思っていたのは、俺だけだった。

実際には、美凪は俺の汐衣愛への気持ちに気づき、罪悪感を感じていて、俺が気付かぬ内に罰ゲームだったということを知ってしまっていた。

そして、3年前の8月3日。

美凪は自分からピリオドを打った。