泣いて、凪いで、泣かないで。

その言葉に、ゆっとは何も言わなかった。

ただ、うんと頷いただけだった。

それを見て、鼻の奥がツーンとして、視界が歪んでいったけれど、私は下唇を必死に噛み、拳を握りしめて耐えた。

時が過ぎるのを待って、

風が凪ぐのを待って、

再び歩き出したその時に、

私の隣には

もうゆっとは

いなかった。