そして、意識不明のまま、どこかで魂だけがさまよって知らぬ間に時を越えた。

大人になったら、また来よう。

そう言われたんだから、また来られるんだ。

ゆっとと一緒にまた......。

だが、そう信じて止まなかった未来は、私の手の中をすり抜けて、目の前にない。

もう、無いんだ。

鳴海家から自分の家まではほんの数十メートル。

近くて遠いそのキョリを、おそらく私は埋めることが出来ない。

自ら手放した未来に光はない。

そう分かっていても、

キミとの未来が見たいなんて、

そんなことを言うのはおかしいかな?

私はやっぱり、

どんなに考えたって、

どんなに辛いことがあったって、

やっぱり...ね、

ゆっとじゃなきゃ、ダメなんだよ。

ねぇ、ゆっと。

ゆっとは、もう1度って、

私ともう1度って、

考えたことない?

1秒でも一瞬でもいい。

私と1秒でも一瞬でも長く一緒にいたいって思ってくれたら、

それが私にとって1番の喜びなんだよ。

私はね、

どんなにゆっとと離れたって、

どんなにゆっとがしーちゃんを想ったって、

ゆっとの笑顔も、

ゆっとの声も、

ゆっとの香りも、

ゆっととの思い出も、

何かも、

忘れることなんて出来ないんだよ。

なかったことになんか出来ないんだよ。

だってね、

私ね......

ゆっとが.........

ゆっとのことが......

好きだから。

ううん、

大好きだから。