泣いて、凪いで、泣かないで。

俺の声に反応し、くるっと回った。

夜だというのに、ばっちり目が合った。


「どうしてここに...」


美凪の表情が電灯に照らされてよく見える。

昼間の笑顔とは裏腹に、真剣な眼差しをして、何か強い、決意のようなものが感じられる。

美凪は何かをいいに来た。

何か大切なことをいいに来た。

それだけは確かにわかった。