「うわぁ!美味しそう!」


私は生クリームがどうも苦手で、誕生日ケーキとか喫茶店に入った時とかは、フルーツがたっぷり乗ったタルトを食べていたんだ。

他はチョコと苺のショートが3つずつ。

私のタルトだけが特別キラキラして見える。


「ゆっと」

「なんだよ」


照れくさそうに鼻の下を手で擦ってる。

分かるよ。

それがゆっとの照れ隠しだって。

そして、数秒後には頭に手をやってるって。


「ありがと」


私の言葉に動揺したのか、ゆっとは予想通り頭に手をやり、わしゃわしゃとサラサラの髪をかき回した。