泣いて、凪いで、泣かないで。

その後は、煌人と夏綺と分かれ、汐衣愛と2人で汐衣愛が行きたい場所にとことん行った。

金魚すくいでは、相変わらずのどんくささでちっとも掬えない汐衣愛の代わりに、俺が本領発揮してしまった。

俺は金魚を何匹も掬い上げた。

結局、8匹釣れたから、その中から3匹もらえるというので、汐衣愛に選ばせると、


「よぉし!じゃあ、とびきり可愛いトップ3を選んじゃうぞ!」


と、謎の意気込みを見せ、大して変わらない金魚の顔をじっくり見て厳選していた。

射的では、汐衣愛の大好きなキャラメルに見事的中。

りんご飴も、焼きそばも食べて、ラムネを飲んでなぜか汐衣愛のひゃっくりが止まらなくなった。


「ゆっとぉ。ひくっ!どうすれ...ひくっ!どうすれば...ひくっ!いい?」

「ちょっと、待て........わっ!!」

「ひくっ!」


俺がことあるごとに脅かそうと必死に頑張ったが、結局それでは治らなかった。

俺はひくひくうるさい汐衣愛を連れ回して水を売っている店を見つけるとすかさず購入した。


「鼻をつまんで水を飲め」

「ひくっ!うん、わかったぁ!」


鼻をつまんで水を飲むを何度か繰り返してようやく汐衣愛の激しいひゃっくりは収まった。

そして、その頃にはもう、花火が夜空に咲き始めていた。