「タルト、ある」

「えっ?」

「お前の好きなタルトあったから、買ってきた」


そう言われたら...帰れない。

だって、覚えててくれたんだんだもん。

ゆっとが私の好みを覚えててくれたって、

その事実だけで、もう満腹だよ。

私はゆっとを見つめた。

ゆっとはじっと箱を見つめたままだった。

私はゆっとに近付いていき、手元の箱を開けた。