泣いて、凪いで、泣かないで。

潮風が頬をかすめる。

海はどこまでも青く、空は広い。

隣に美凪がいる。

あれから3年が経つのに、美凪の横顔を見るとなぜか胸が締め付けられる。

あの日の気持ちが甦ってくる。

これから夏祭りだから、美凪と何をしようとか、美凪に何を買ってあげようとか、色々思いを巡らせ、美凪の右手を見つめていた。

この手を握ったら、美凪はどんな顔をするだろう。

俺はどんな気持ちになるのだろう。

そう思いながら、楽しそうな美凪の笑い声を聞いていた。

時は戻らない。

あの日に戻って謝ることなんて、もちろん出来ない。

なら、今日くらいは、

今日だけは、

美凪の側で笑いたい。

美凪が喜んでくれていると信じて。