泣いて、凪いで、泣かないで。

―――チーン......


すっとんきょうな音が鳴った。

やつらも俺も動きを止め、その音のする方に視線を移した。

そこには、ニコニコと笑うあのチャラ男がいた。


「ごめんなさぁい。間違って鳴らしてしまいましたぁ。どうぞお気になさらず、お席でお食事をお楽しみ下さぁい」


あまりにも温度差のある発言にやつらも気力を削がれてしまったのか、チッと舌打ちをすると大人しく席に戻っていった。

なんだよ...。

なんだったんだよ...。

こんな簡単に収められたのかよ...。

チクショー...。

チクショー...!

俺は床を足で蹴った。

美凪はふらふらとした足取りで波田野のところに向かい、お礼をした。

結局俺は、美凪を傷付けてばかりでなんも出来てない。

美凪のために何もやれていない。

俺、カッコわりいよ。

吐き気がするほど、カッコわりいよ。