泣いて、凪いで、泣かないで。

「そう言えば、おじさんは?」


私が聞くと、ゆづちゃんは首を大きく真横に振った。


「午前中の式の後、居酒屋に直行した。仲間と祝杯を上げるとか言ってたから、たぶん11時過ぎないと帰ってこないよ」

「あはは...」

「やっぱりおじさんは酒豪だね」

「毎日仕事終わりに一杯とか行って居酒屋行くから、もぉカツカツだよ。こんなサーフショップ始めるし」


そう言ってゆづちゃんは店内を見回した。


「それにしても、2人共なんでこっちに来たの?家にいるかもしれなかったのに」

「みながね、今日からゆづちゃんもバイトデビューだから張り切ってるだろうって言ったからこっちに来たんだ」

「生憎、今日は定休日になっちゃったからなぁ。今日はここの掃除をしっかりして、明日のデビュー日に備えま~す!」

「ふふふっ。じゃあ、明日から頑張ってね」

「はぁい」


と、威勢の良い返事が聞けたところで、私達は裏手にある鳴海家に移動した。

遂にここから本人も絶賛参加してのパーティー準備が始まったのだった。