「みーなぎちゃん」

「爽くん、どうしたの?もしかして...」

「そうそう」


夏期講習の最終日の昼休み。

私の席の後ろ、つまり今は空席のゆっとの席に爽くんは腰をかけた。

手にはクリアファイルを持っている。

最近の私の務めは、爽くんに勉強を教えて追試ループを抜け出してもらうことになっていた。

それでその日は昨日と一昨日にやった追試の結果発表が今日で、無事合格していれば明日から夏休みだが、果たして...。