泣いて、凪いで、泣かないで。

私はさっきのことをゆっとの言葉そのままに話した。

なっちゃんは歯を少しだけ見せて口元を押さえながら上品に笑った。

女神様の微笑みはいつ見ても麗しい。


「ほんと急だね。相変わらずだね、ゆっとは」

「なっちゃん、今日部活は......」

「ないよ。だから、ちょうどみなのとこ行こうと思ってたんだ。一緒に買い物してワタシも作るよ」

「ありがと、なっちゃん...」


本当になっちゃんは優しい。

いつだって私を寛大に受け入れ、微笑んでくれる。

だもん、モテるよね...。


「煌人くんは大丈夫かな？」

「煌人は何か用事があっても、ゆっとに言いくるめられて来るしかなくなると思うよ」

「なんか申し訳ないな...」

「チームメートなんだし、ゆっとのこと良く理解してるから大丈夫だよ。じゃあ、ワタシ準備するから、廊下で待ってて」

「うん」