泣いて、凪いで、泣かないで。

「あっ!おにいだ!」


ちょうど車から2人が降りてきた。


「おにい、みーちゃんは大丈夫だった?」

「泣いてたけど、今はもうぐっすり眠ってる。おばさんも帰ってきたし、後は大丈夫だろう」

「そっかぁ、良かったぁ」

「うん、良かった良かった」


父は少し涙ぐんでいる。

自分のせいで美凪が危険にさらされたのだから、確かにそうか。

でも、涙もろいのは昔からである。


「で、これもらったから。朝食べよう」

「おっ!さくらんぼじゃんっ!それにみーちゃん特性の肉じゃが!」

「美味しそうだなぁ」

「お父さんは少なめね。最近メタボ気味だから」

「おっとぉ、バレバレだったか」

「バレてるに決まってんじゃん!昨日だってこんな中年オヤジ、紹介するのもいやだったんだから!それにさ...」