泣いて、凪いで、泣かないで。

―――ゴロゴロゴロゴロ。

―――ドカーン!


音が聞こえても光は見えないからまだマシだ。

こうやっていつも1人で怖いものを凌いできた。

とにかく耐えてきた。

頼りたい時に頼りたい人は誰も側にいないから。

なっちゃんとはクラスが離れてしまうし、

お母さんは仕事仕事でいつもいないし、

ゆっとは近くにいても頼ってはいけないし...

だから、私は1人で何でもやって来たし、寂しさも乗り越えてきた。

それなのに、

雷とかお化けとか、

昔から怖かったものは今でも怖くて、

夜は電気をつけていないと寝られないし、

雷の音が鳴ってる間はブルブル震えて動けないし、何も出来ない。

そんな時にふと思ってしまう。

ゆっとが側にいてくれたらいいのに、って。

そして、左手首に着けたままのミサンガを掴んでじっと耐える。

雷への恐怖と

今にも溢れ落ちそうな

この涙に。

あぁ、波の音が聞こえる。

大暴れして、何かを伝えようとしているのかも。

風もうるさい。

ガタガタと窓を揺らす。

雨が窓に打ち付ける。

雨樋から水が止めどなく溢れて流れていく音が聞こえる。

雷が、また鳴る。

ゴロゴロと、いつまでご機嫌斜めなのだろう。

もういいじゃん。

もうやめてよ。

早く、止んで。

早く、凪いで。

そう強く、強く強く願う。

しかし、一向に止まない。

凪がない。

変わらない。

と、その時だった。