泣いて、凪いで、泣かないで。

―――ガラガラガラ。


「うわっ!」


ちょっと待って!

これは想定外...。

私は思わず大声を挙げて目を瞑り、顔を両手で覆った。


「美凪?!」


ゆっとが大声をあげる。

ゆっとが使ったとおぼしきシャンプーの香りが鼻をくすぐり、なんか変な気分になってくる。


「ご、ごめん。これは事故で、そ、そそ、そのぉ...」

「わ、分かったよ。戻ってるからその間に退散しろ」

「ほんとごめんっ!でも、見てないから~!」