『名前を聞いてもいいかな...?』 今思えば、ここからが本当の始まりだったのかもしれない。 「柴田 凪。」 彼は間違いなく"柴田凪"と言った。 それも、少し口角を上げて。 その時、朝起きた未来の私からの手紙を思い出した。 もうすっかりそんな事、頭になかった。 でも、あの手紙が本当なら"手紙の私''はこの人に恋をしたことになる。 そして、何かは分からないけど...この人のせいで苦しい想いをした。