涙を出し切ってお風呂から上がると、脱衣場には新しい着替えとふわふわのバスタオルが置かれていた。
着替えや下着は、ヨシ子ばあちゃんが家まで取りに行ってくれたものだろう。
こんな風に傷ついた時こそ、周りの人の優しさが心に沁みる。
私はふわふわと柔らかいバスタオルに顔をうずめて、大きく深呼吸をした。
この脱衣所から出る時は、笑顔で…
光雄じいちゃんとヨシ子ばあちゃん。
…そして桜河にも、これ以上心配をかけることがないように。
今はつらくても大丈夫。
傍にいてくれる人がいるんだから…
いつか必ず前を向ける。