君のとなりで恋をします。─下─









────…しかし、私の願いはすぐに打ち砕かれる。







季節ごとの花が綺麗に咲き誇る旅館の庭園。

この日も、綺麗なシュウメイギクの花が咲いていた。



その皮肉な程綺麗な花の中で、私は2人を見つけてしまった。

泣きつく桃奈さんを、ただ何も言わずに受け入れる柊吾。





……あの電話、やっぱり桃奈さんだったんだ…。



あの状況、あのタイミングで…

彼女である私に嘘をついてまで、桃奈さんの元に駆けつけた理由はわからない。



…そんなもの、わかりたくもない。







月明かりに照らされて重なる2人の影が、私の胸を抉る。


やだ…キモチワルイ…





突如襲った吐き気に足元がふらつき、一歩後ずさると、落ちていた小枝を踏んでしまう。

パキッという小さな音に、2人はこちらを振り返った。