「────…何してんの?お前ら。」
外から聞こえた聞き覚えのある声に、私は勢いよく顔を上げる。
「桜河!?
あんたこそ何してんの!?」
「は?今から部活なんだよ。
見ればわかるだろーが。」
そう言う桜河の格好は、水泳部のジャージにスポーツバック。
悔しいけど、たしかに見たらわかるな。
「てゆーか、午後練って2時からでしょ?
なに堂々と遅刻してんの!」
「残念。
今日は日程変更で3時からなんだよ。」
「3時からにしてもギリギリだよ!?
早く行きなよ。」
この町から学校に行くには、バスと電車を乗り継がなければならない。
もちろんそれなりに時間はかかるわけで…