ザアッと風が吹いて、木々が揺れる。
バス停からの帰り道にそびえ立つ大きな桜の木。
春になるとよく、ここに桜河と二人で桜を見に来ていた。
今はまだ、蕾が膨らみ始めた頃。
〝見頃〟とは到底言えないその桜の木を、なぜかじっと見つめる桜河の姿があった。
「…桜河っ!!」
「…香純……?」
私はやっと彼を見つけられたことが嬉しくて…
つい駆け出してしまう。
……が、しかし────…
「────…うわぁっ!?」
普段体育以外では使わない足の筋肉を酷使してしまったせいで、もう限界だった。
数歩踏み出した頃には足がもつれて、そのまま盛大にズッコケてしまう。



