「…香純。…ほら、笑って。」
何度拭ってもポロポロと流れ落ちる涙を、彼はそっと指で拭う。
だけど彼のその行為は、私の涙腺を余計に崩壊させるだけだった。
「…っ…だってぇ〜…」
「ほら、桜河のところに行くんでしょ?
香純が目腫らしてたら、俺が桜河に怒られるかも…(笑)」
泣きじゃくる私に彼は冗談っぽくそう言う。
そして顔にかかった私の髪をそっと耳にかけると、いつものように優しく笑った。
「…最後は、香純の笑顔が見たいな。」
窓から差し込む暖かい日差しが彼を照らす。
その表情はどこか清々しいもので…
まるで〝前に進む〟という強い意志が現れているようだった。



