「私も…香純には幸せになって欲しいな。」




「え…?私?」







予想外の咲花の言葉に、私は戸惑う。








「本当はもう、自分が誰を好きなのかわかってるんじゃないの…?」









真っ直ぐに私を見つめてそう言う咲花。



…正直、ドキリとした。

だって、自分の卑怯な心を読まれたのかと思ったから。



受験がどうとか…自分の気持ちが分からないとか…

そんな言い訳ばかりを並べて逃げて…




本当はただ、この恋に結論をつけてしまうのが怖かっただけなのかもしれない。

もうとっくに、自分が本当は誰を想っているのかなんて、わかっていたはずなのに…