ひたすら問題集に向き合うこと約2時間。


私も咲花もそろそろ集中力が切れ、問題を解く手が止まってくる頃だ。





あー…もう無理…。

疲れた、休みたい…。


一度切れた集中力を回復させるのには、休憩と糖分が一番だよね。




限界に達した私は立ち上がり、咲花に声をかける。









「咲花、そろそろ休憩する?」





「うん、するー。…疲れたねー…。」








私の言葉に彼女はホッとしたように息を吐き、大きく伸びをした。








「何か温かい飲み物でも淹れてくるよ。

紅茶、コーヒー、ココア…どれがいい?」






「ココア!今はとにかく糖分が欲しい〜…」






「おっけー!任せて!

激甘なやつ作ってくるね!」





「ありがと〜。」









ぐでっと机に伏せる咲花を部屋に残して、私は一階のダイニングへと向かう。




土曜日にもかかわらず、父は店番。

母はフラワーアレンジメントの教室に講師として行っている。


楓真も寮から帰ってきていないし…

今日は家には誰もいないのだ。