嵐のように過ぎ去って行ったあの夏以来、いくつか変わったことがある。





まずは、桃奈さんのこと。


あの事件の後、彼女は精神面の療養のため学校を退学。

今は彼女の地元の病院に入院しているそう。





柊吾ですら、あれから彼女に一度も会っていないらしい。

〝俺はもう、桃奈には会わない方がいいと思う〟と柊吾は言っていた。



柊吾はきっと、桃奈さんがあんな風になったのは自分のせいだと責任を感じているんだ。




柊吾の気持ちは、私も何となくわかる。

これまで桃奈さんにされてきたこととか、与えられた苦痛とか…もちろん許せるわけなんてないけど…



でも…

〝私の存在が彼女をあそこまで追い詰めてしまったのではないか〟という思いも、どうしても拭いきれないのだ。