ねぇ、桜河…。

私…アンタのこと、どれだけ傷つけてた?






いつだって誰よりもそばにいてくれたのに…

いつしかそれは私にとって〝当たり前〟になっていて…





自分の中にあるうやむやな気持ちと向き合おうとしないまま、当然のように桜河のそばに居座っていた。

その私のワガママが、桜河を傷つけてたんだよね。









ごめん、桜河…。

バカで、無神経で…本当にごめん。




私ももう、自分の気持ちがわかんないよ…












「傷つけて、本当にごめんね…。

今までありがとう…。」








桜河と別れたくないというのが、私の本音だった。

だけどこんな中途半端な気持ちで、桜河の隣にいる資格なんてない…。




誰よりも優しいこの人を、これ以上傷つけるなんて許されるわけない…。






私はこれまでのお礼と謝罪の言葉を残して、静かに部屋から出た。



部屋を出た途端、涙が溢れ出す。

扉の向こう側からも、微かにすすり泣くような声が聞こえた気がした。





傷つけてごめん…

泣かせてごめん……



…そばに居てくれて、ありがとう…。









こうして、私の二度目の恋は呆気なく終わりを迎えたのだった。