桜河side
部活終わり、退勤ラッシュで人の溢れた駅で電車を待つ。
大会も間近に迫っていることもあり、ここ最近の練習量は半端じゃない。
今日も全身の筋肉がパンパンになるほど泳いだ。
それでもここまで足取りが軽いのは、家に帰れば香純が待っているから。
いつしか、夜は俺の部屋で二人で過ごすことが日課になっていて…
駄弁ったり、各々が好きなことをしたり…
特に何をする訳でもないが、あいつの隣にいるだけで疲れが癒えていくような気がした。
俺、今なら…玄関先で妻に「おかえり」と出迎えられるサラリーマン夫の幸せにも、共感できる気がする…。
…やば、俺きも…。
あいつと一緒にいるせいで、俺までIQ低くなったか?
そんなバカなことを考えていると、スマホの通知音で我に返る。



