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あれから大学病院で検査を行ったが、特に異常はなく…
幸いにも、頭の傷の縫合だけ済んだ。
顧問の先生からの連絡を受けて駆けつけた柊吾のお母さんの車で、この町まで帰ってきた。
「…柊吾、歩ける?」
「大袈裟だな。大丈夫だよ。」
柊吾の歩行を横から支える私に、彼は苦笑い。
「香純ちゃん、ごめんなさいね。
…私、桃奈ちゃんのこととか色々やらなくちゃいけなくて…」
玄関先で申し訳なさそうに手を合わせるおばさんに、私はニコリと笑った。
「任せてください。」
「義母さん、迷惑かけてごめん。
…よろしくお願いします。」
頭を下げる柊吾に、おばさんは少しだけ悲しそうに笑う。
「迷惑なんかじゃないよ。
…柊吾くんは、ゆっくり休んでね。」
そう手を振り駆けていくおばさんを、二人で見送った。



