「…なんか、大切なものでも失くした?」
〝忘れ物を取りに来た〟と濁したつもりだったけど、なぜか柊吾にズバリと言い当てられてしまって…
「え、な…なんで?」
「ん…?なんとなくそんな気がした。」
鋭すぎ…。エスパーかよ。
そうツッコもうとして、口を噤んだ。
だってそう言ってしまったら、事実だと認めたことになるし…
それに〝失くしたものを探している〟なんて言えば、柊吾なら一緒に探すと言いかねない。
「…いや、あのね…違うくて…」
「───…いいから、正直に言いな。
みんなで一緒に探した方が早く見つかるし…
その方が俺達も集中して練習できるから。」
ぐぬぬ……
柊吾にそう言われてしまうと、もう正直に言うしかなくなる。
みんなが練習している中で一人でコートの周りをウロウロと探し回る方が、余計迷惑をかけているように思えてきたのだ。



