「…ごめん、まるちゃん!

体育館に忘れ物しちゃったから、取りに帰るね!」





「え!?大丈夫?

…私も一緒について行こうか?」








まるちゃんはそう言ってくれるけど…


もうかなり駅の方まで来ちゃってるし…

それに…勉強もあるのに、一緒に探してもらうのはさすがに申し訳ない。









「ううん!大丈夫!

先に帰ってて!」





「そっか、気をつけてね!」






「うん!まるちゃんもね!」










私は彼女に明るく手を振ると、来た道を引き返す。

目を凝らして、もし道に落ちていたとしても見落とさないように。






…付き合って初めて桜河がプレゼントしてくれたものなのに…。

あんなに大切なものをなくしてしまうなんて。



もう、私のバカ!








それから、学校から駅までの道をくまなく探したけど…ストラップは見つからず…

結局、あの体育館までまた戻ってきてしまったのだった。