「松井くん、またね!」








遠慮気味に手を振る彼女の声は少し震えていて、髪の隙間から覗く耳は真っ赤だった。









「おー!またね!」






元気よく手を振り返すまっつんに、彼女の横顔はとても嬉しそうで…

なんか、可愛いな。


…なんて微笑ましく思っていると、今度は柊吾が私に1歩歩み寄る。










「香純。…またいつでも来て。」








「待ってるから」と微笑んだ柊吾の顔は、さっきよりも穏やかになったような気がした。









「うん。

それじゃあ、頑張ってね。」





「お邪魔しました〜。」










私とまるちゃんはバスケ部員たちに見送られながら、体育館を後にした。