「────香純ちゃんっ!!」








背後からやけに聞きなれた声が聞こえた。

……この声は……







「まるちゃん!?」






振り返るとそこに居たのは、手に大きな紙袋を抱えたまるちゃんだった。

彼女は私を見るなり、嬉しそうにこちらに駆け寄ってくる。









「香純ちゃん、奇遇だね!

どうして学校にいるの?」






「勉強に飽きちゃったから…

桜河に差し入れを持ってきたの。」







「差し入れ!?」







私がそう言うと、その〝差し入れ〟という言葉になぜか彼女は目を輝かせて…

そして私の両手をぎゅっと握る。