「葵斗と咲花、何かあったのかな?」





「さあな。放っとけよ。」







「もう、あんたはまたそんなこと言う…。」










放っておけるわけないじゃん。

私にとって大切な幼なじみの二人が、明らかに元気ないんだもん。





他人のことには一切興味が無いという顔をする桜河を私は軽く睨む。

すると、私の視線は彼の胸元あたりに止まって…










「…あ、桜河。ネクタイずれてるよ。」





「直して。」





「もう、それくらい自分でやりなよね。」










文句を言う私だけど、珍しく甘えてくる桜河に満更でもなく…


つい、彼の胸元に手を伸ばしてしまって…













「────こ…ンのバカップル!

俺の目の前でイチャつくんじゃねぇ!」









横から聞こえた葵斗のその声に、彼の方に伸ばした手の行き場を失う。