しかし、半分だけドアが閉められた体育館倉庫からは、彼女が一人でいるとは思えないほどの賑やかな声が聞こえてきて…
「───…ねぇ、桜河。
あの上にある箱、とってよ。」
〝桜河〟
その名前に、俺は無意識に倉庫の扉の影に隠れてしまう。
「おいこら。
俺はここで待っててやるって言っただけだ。
…誰も手伝うなんて言ってねぇよ?」
「探さなくていいよ!…あれをとるだけ!
私の身長じゃあ、あそこまでは届かないんだもん。
…桜河は背が高いでしょ?」
「…ったく。しゃーねぇな。」
「……ふっ…ちょろ(笑)」
「シバくぞ?」



