「桜河、授業サボってないでしょうね?」










私が軽く睨むと、桜河は今度は私の頭にチョップを食らわす。












「サボってねぇよ。アホ。

…お前、次何の授業?」






「調理実習だよ。」






「ふーん。何作んの?」






「ブラウニー。」










私が答えると、桜河は私と同じ目線になるくらいまで腰を屈めて顔を近づける。












「…な、何?」






「……くれよ。」






「え…?

…あんた、甘いもの好きじゃないじゃん…」









急に近くなったその距離に何だか少し照れくさくて、私は目を逸らしてそう言った。