「…聞いて、香純……」
一歩こちらに歩み寄る彼に、私は思わず後ずさる。
その私の行動に、柊吾は悲しそうに顔を歪めた。
「しゅ…柊─────…」
「────…何やってんの?」
不意に後ろから聞こえた声に、私は振り返った。
そこには、不機嫌そうにこちらを見据える桜河がいて…
「桜河…」
「…おいこら、アホ。
8時過ぎても来ねぇから心配しただろーが。」
「あ、ごめん…。」
心配して様子見に来てくれたんだ…
でもよかった…
桜河のおかげで会話を断ち切れた。
「…桜河、はやく勉強しないと!
私今回もかなりやばいんだよ!」
「は?教えるなんて誰も言ってねぇ。」
「いいじゃんいいじゃん!
あ、柊吾!今日はありがとね!」
「…あ、うん。」
私は桜河の背中をぐいぐい押して、まるで逃げるようにその場を立ち去った。



