「ちょ…何?」










ぎゅむっと私の両頬を潰す桜河を睨む。











「フッ……ぶっさいく。」










小さく笑う桜河に、きゅっと胸が締め付けられた。





もう…

相変わらず、不器用なんだから。





桜河は、昔から私の感情の変化にすごく敏感だ。

もしかしたら、私自身よりも…




私の頬をむにむにと押し潰して遊ぶ桜河に、私も笑った。










「アンパ○マンみたいで可愛いでしょ?」






「は?…ア○パンマンに失礼だろ。」






「はー?何をー!?」










人の顔を見て鼻で笑う桜河の頬を、私も摘み返してやる。


すると負けじと桜河も、私の頬を押し潰す力を強めてくる。













「桜ちゃん、香純!

もう、喧嘩しないのつ!」








少しだけ頬をプクッと膨らませてそう言う咲花。



咲花にこんなに可愛く怒られたら、やめないわけにはいかない。


私と桜河は、どちらからともなくそれぞれの手をどける。