誰もいない夜の体育館は、ものすごく怖かった。
風で扉が揺れる音にすら、驚いて、心臓がうるさくて…
…1時間だけ……。
1時間だけ探して帰ろう。
ビクつきながらも、箱の中や棚の裏など思い当たるところをくまなく探す。
やっぱりない…。
誰かの手元にあるんだろうか?
私はスマホを開いて、バスケ部のグループLINEを確認する。
先程一人の部員が聞いてくれた質問に対して、既に数名から返事が来ていた。
だけど、それらは〝知らない〟という答えばかりで…
…明日までには、みんなちゃんと返信くれるかな?
LINEをあまり見ない人もいるし…
気が遠くなって、私は盛大にため息をつく。



