君のとなりで恋をします。─下─











俺たち二人の間にしばらく沈黙が続く。

それを破ったのは桜河だった。













「───…あいつ、昨日ずっと泣いてた。」









桜河のその言葉に、俺は何も返すことが出来なかった。



俺に裏切られて、傷ついて、泣いて…

その時誰よりも彼女の傍にいたのは、やっぱり桜河で…





香純を傷つけてしまったことに対する自己嫌悪と、桜河へのくだらない嫉妬心。

今はもう、嫉妬する資格すらないのに…






そんな自分勝手で情けない俺に、桜河はさらに言う。













「俺、言ったよな?

“香純を絶対に傷つけるな”って…」






「…うん。」











『強そうに見えて、全く強くねぇし…

むしろ脆いよ、こいつ。


…だから絶対に泣かすんじゃねーぞ。』






『…あぁ。』












あの夏の日、たしかに俺は桜河と約束した。

その約束さえも…