「柊くん。何してるの? もう朝練終わったよ?」 そう言って俺の肩に手を置く桃奈に、腹の底から嫌悪感が湧く。 昨晩の桃奈からの電話。 くだらない電話だったら直ぐに切ろうと思っていたけど、電話口の桃奈は涙声で… 「…どうしよう、柊くん。 さっき、病院から電話があったの。 あの人が…ママが危篤だって……」 「え…?」 「…やだ。私、一人になっちゃうの…?」 〝ただ事ではない〟と思った。 精神的に不安定な桃奈を、一人にしておくわけにはいかない。 俺はそう思い、桃奈の元に行くことを選んだ。