きみに ひとめぼれ


みんなはこのごみ捨てをやりたがらない。

なぜなら、ゴミ捨て場がめちゃめちゃ遠いから。

3階にあるこの教室から1階まで降りて、渡り廊下を渡って隣の校舎を突っ切り、さらに外に出て運動部の部室棟とテニスコートを通りすぎたさらに奥にゴミ捨て場はある。

そこは人気のない学校の用具置き場で、用務員の人がここで各クラスのゴミを集めて分別しているというわけだ。

遠いので部活をやっている子は練習に間に合わないし、そもそも誰もそんな場所に行きたくない。

一方の私は帰宅部なので特に問題もないし、それに、自ら手を挙げたのには理由があった。