きみに ひとめぼれ


放課後になると、各々勉強したり、部活に行ったり、掃除当番をしたり、帰る人もいたりする。

勝見君は部活に行くんだけど、部活が始まるまでならと、私の数学の宿題を教えてくれることになった。

私が掃除当番だから、勝見君は図書室で待っていてくれることになった。

勝見君が図書室で待っていてくれるのが妙に嬉しくて、掃除時間中もうきうきしていた。

はやく掃除を終わらせたかった。

はやく勝見君のところに行きたかった。

なんだか不思議だ。

少し前まで、勝見君なんて存在自体、気にも留めなかったのに。


「あかり、今日もゴミ捨てお願いね」


勝見君のことで頭がお花畑になっていたのに、それを一気に枯らす声が耳に刺さった。


__えー……。

  まあいいんだけど。


これはしょうがない。

だって、自分からゴミ捨ては行くと言ってしまったのだから。